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シネマンボウ
五線譜のラブレター 

カンヌのクロージング作品だったにも関わらず、イマイチ知名度が低い
「五線譜のラブレター DE LOVELY」

自分も見る予定すらなかったのですが(笑)、付き合いで行った結果、
予想外に狙い撃ちされて号泣。
「猟奇的な彼女」以来最大の涙。

こうなったら自分で自分がおかしいと思うくらいの様相。
嗚咽が回りに漏れないよう、両手で口を押さえて見る私の姿を
暗闇でも撮れるカメラが映したら、相当おかしかったでしょう。
すごいCMになりそうです。(笑)


【story】1920年代のパリで、同性愛者の作曲家ポーターと、
離婚歴のある美女リンダが意気投合。ポーターの才能を見抜いたリンダは
彼を包み込むように愛し、ポーターもそれに応えるように名曲を
生み出していく…。「夜も昼も」などの名曲を手掛けた作曲家
コール・ポーターの伝記映画。有名ミュージシャンも出演する華麗な
ステージを交え、ポーターと妻の固い絆をつづる。



「裏切られても捨てられても
君は死ぬまで僕のもの
それほど君を愛している」


作曲家コール・ポーターによって生み出された数々の楽曲が、
ナタリー・コール/エルビス・コステロ/シェリル・クロウ/アラニス・モリセットを
初めとした素晴らしいミュージシャンたちの登場によって豪華に
歌い上げられます。



その音楽に込められたコールの妻への愛情はストレートで
聞くものの胸を熱くする事でしょう。

とにかく、全編を通じ、その歌だけでなく二人の交わす会話が
夫婦としての喜びや悲しみ、怒りや葛藤とあらゆる気持ちを
溢れる言葉で紡いで行きます。



中でも妻リンダが死の床で語った言葉は忘れがたいです。

「合わない歌もあったけれど、
あなたの歌は本当に心から愛していたわ」


こんな事を死ぬ前に愛している人に伝えられたら、
また愛している人から言われたら本当に幸せだろうと思い、
もう溢れ落ちる涙は、瞬きもせずとも次から次へと頬を伝っていました。


storyにあるように、夫コールはバイセクシャルで、
「男性をも愛する男性」でした。
それは表面的に描かれるわけでもなく、コールが肉体的にも強く男性に
性的欲求を持っていた事をあからさまに描いています。

それでもリンダはひるむことなく、自分が惹かれた彼の才能と優しさを
信じて彼を愛していきます。
自分の愛する男が関係を持つ”男”の出演する舞台にも笑顔で
出席します。彼女が知らないわけがありません…。
これは私にはできない、と思いました。


それは黙認、というレベルではないのです。
彼女はそんな彼を丸ごと受け止め、愛していたのです。
「愛する人のために自分が出来ることをしてあげたい、
裏方となって見えないところで支え、必要であれば自分をだしにしても
相手のチャンスを作ってあげよう。」
そのくらいの事は私もでできると思っています。

しかし彼女の強さはそれだけではなかったのです。

まさに彼女の愛の深さに圧倒された瞬間でした。




こうして彼女の努力に支えられ、成功を手にしたコールは
華やかな生活に溺れ、男性との関係はエスカレートし、
写真を取られてお金をゆすられるようになります。
リンダもたしなめるのですが、成功して気が大きくなったコールは
気にも留めません。
こうして二人の間に少しずつ不協和音が流れていき、二人は
離れて生活するようになるのですが、結局最後の最後に彼の窮地に
寄り添う事ができるのは彼女しかいません。



「お互いに期待しすぎているのは昔からなのよ。」

そう彼女が言い放つシーンは身震いがしました。



お互いを愛し、人間として尊重するがゆえに、いつしか求めるものが増え、
またそれに応えうる人と確信するがゆえに信頼は中から崩れていく。

それを知っている彼女だからこそ言える言葉。
強気のようにも見え、どこか悲しみに満ちた彼女の表情がそれを物語ります。

愛とは本当に残酷なものです。



同性愛者で男性を追いかけてばかりのコールでしたが、
あるきっかけでリンダとの子供を望むようになるエピソードがありました。
しかしリンダは流産。
夫の仕事を気遣うリンダはそれを打ち明けられずに一人で耐えていました。
それに気づいたコールは彼女を優しく抱きとめこう言います。

「僕たちには向いてなかったことなんだよ。
今のままで僕は十分幸せなんだ。」


波乱万丈で決して穏やかな夫婦生活ではなかったでしょうが、
二人は本当に愛し合っていたに違いありません。




まだまだ若く、人生経験も少ない私ですが、
夫婦愛について考えさせられました。
(2005.2.11)


★★★(カナボウ大変満足しました。)(^0^)

→「五線譜のラブレター」公式サイト[外部リンク]

by kissinggrammy
(2005/02/21 16:45)
movie

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