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小人閑居日記
今年もアトリウムコンサート 

7月になって、恒例のブライトンホテル・アトリウムコンサートが始まった。

もう、いきなりドカンドカンと凄いのが来る来るw

2日の木曜日は神尾真由子さん。
2007年のチャイコフスキー国際コンクールの優勝者である。



この日の曲目は
●スケルツォ(ブラームス)
●カルメン幻想曲(ワックスマン)
●タイスの瞑想曲(マスネ)
●ワルツ スケルツォ Op.34
●ツィゴイネルワイゼン(サラサーテ)
アンコール
●愛の挨拶(エルガー)

この人、あんまり普通の顔して弾くから、もしかしたら「カルメン・ファンタジー」は簡単なのかと思ってしまったよw でもそのクールな外見とは裏腹に、超絶技巧曲でありながら豊かな歌心を感じさせる。なんというか、高速で難コースをブッ飛ばす車に乗りながら美しい景色に酔っているような、不思議なトランス感を覚えたものである。

とその時、「バタン」という音がしたかと思うと、ロビーのカフェ入り口あたりがざわつき、ホテルのスタッフが大勢駆け寄った。お客さんのひとり(高齢の男性)が倒れたようで、皆で近くのソファに座らせておしぼりを渡していたが、貧血かもしれない(それともトランスによるものだったりして)。このコンサート、無料は嬉しいが立って聴いているのは体調の悪いときにはつらいものだ。というか、そのソファ、去年私がチャドクガに刺された(疑いが濃厚な)ソファである。もう1年も経つからチャドクガは大丈夫だろうがw

そして3日金曜日は横山幸雄氏。最近は弟子の辻井伸行君のほうが有名になってしまったが、この人もかつてショパンコンクールで最年少入賞を果たし、今も熱烈な追っかけがいるらしい。



横山氏、なんと本番8分前にブライトンホテルに到着したそうで「着いた!カバン置いた!お茶を一口飲んで、すたすたとステージに出るや、ベートーヴェンのソナタ弾き始めた!」ぐらいの勢いである。多忙なのだろうが、関係者はさぞ肝を冷やしたことだろう。そういえばこの人、辻井君のヴァン・クライバーンの本選前日に急遽開催地のテキサスに飛び、一日がかりで辻井君にレッスンつけて、次の日には帰国したとテレビで言ってたっけ。東京と京都でレストランのプロデュースもしているそうで、まったく超人的にパワフルだ。

曲目は
●ソナタ「月光」(ベートーヴェン)
●アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ(ショパン)

予定されていた曲はこの2曲で、これだけですでに予定の30分を過ぎていたがアンコールとして
●バラード4番(ショパン)
●アヴェ・マリア(自作)
●ラ・カンパネラ(リスト)

を弾いてくれた。前夜に引き続き、華麗な超絶技巧にブライトンのアトリウムは興奮のるつぼである。上から見ていると、知らずに入ってきた一般のお客さんのリアクションが面白いw

家に帰っていろいろ検索していると、上野学園のサイトの中に、横山氏が辻井君に公開レッスンしている映像[外部リンク]が見つかった。巷に流布している辻井君神話(?)の中には「楽譜が見えないので耳で聴いて曲を覚える」というのがあるが、これを見るとちゃんと楽譜(パデレフスキー版を使っているらしい)に則って分析しているレッスンだということがわかる。まあ、「のだめ」じゃないんだから当然といえば当然だが。

ところでコンサートの時、私の隣に立っていた初老の男性が最初から最後まで大興奮で、横山氏の登場の時には両手を振っていたし、もうずっとハイテンションのノリノリだった。その人を見ていて思い出したが、20年ぐらい前に乗ったタクシーの運転手となぜかピアノの話になり、彼が「次のショパンコンクールの優勝はもう決まってるんですわ。ヨコヤマユキオ言う子ですねん。その子が優勝しますんや」と断言していたのだった。結局横山氏は優勝ではなく3位入賞だったが、あのドライバーは横山氏の大ファンか身内だったのだろうか。もしかしたら、ノリノリおじさんはあの時の運転手さんだったのかもしれない。




by antoinedoinel
(2009/07/04 2:11)
音楽
タグ=音楽
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