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第一章 洗礼は再びに (チュニジア)
まるでビーカーから水が溢れるかのように、自分の中から寂しさという感情がこぼれていく。 僕は、北アフリカの大地をゆっくりと食んでいた。 旅というものは大小を問わず、すべからく痛く、苦しさを伴..
(2010/10/18 2:24) コメント(1)
花相似たり
僕は歩き出した。 手に握っていた石は実は氷で、僕の手の温度によってそれはみるみるうちに溶け、指の間をすり抜けていった。灼熱の太陽は僕の横顔を熱く照らしていた。 何の変哲も無い月曜日だった。..
(2009/09/07 14:09)
旅の終わり
音も無く、長きに渡った旅は終焉を告げた。 それは特段、悲しいことでも、嬉しいことでも無かった。 バンビエンのあの怠惰な岩肌のように、ただひたすら無為に、 自分の肌や自分の感覚や久しぶりに訪れ..
(2007/03/24 13:58)
最後の行軍・その四
あなたよ、あなたよ、幸せになれ。 三年前のこの日、僕は初めて海外へ旅立った。あの日、空港で食べた、生チョコのしっとりとした食感や味を、僕は今でも覚えている。「うまい」と言って、見た、君の不安そう..
(2007/02/14 21:50)
最後の行軍・tibet
指の間からこぼれ落ちる砂のように、気がつくと失われたものの残骸だけが残っている。その苦さを噛み締めながら、それでもなんとか日々をやり過ごし、生きていかなければならない。 バターの香りが僕を包んで..
(2007/02/12 18:44)
最後の行軍・其の参 ラオス・バンビエン
それは、太陽のせいだ さんさんと照りつける日差しの下で、僕は大きな欠伸をした。まるでワニが大きくパックリとその口を開けるように、大きく口を開けて、欠伸をした。ただ、ワニとは違って僕には、この歯..
(2006/12/28 20:53) コメント(3)
最後の行軍・其の弐
洗濯物はグルグル回っていた。ジーンズもスカートも背広も一緒に投げ込まれて。そしてそれはたまたまそこに洗濯機があったからに過ぎない。あとは、こっそり漂白剤を投げ込むだけでいいのだ。真っ白になればいいんだ..
(2006/12/23 19:35) コメント(3)
最後の行軍・其の壱 12/17
そこに君がいた。君がいたから僕がいた。僕がいたから、君がいた。 鳴り止まない鐘を背に、僕は最後の行軍への扉を、ゆっくりと開けた。陸を離れる飛行機の中で、もう日本に帰れないことを覚悟すると、深..
(2006/12/20 18:47) コメント(7)
最後の行軍・序
本日夕方6時に成田を発ちます。 テーマは沢木のこの言葉。 ★ 「人のためにもならず、学問の進歩に役立つわけでもなく、真実をきわめることもなく、記録を作るためのものでもなく、血湧き肉躍る冒険..
(2006/12/17 4:06) コメント(5)
終戦
昼の一時を少し回ってテレビを点け、NHKにチャンネルを合わせた。高校生かぁ、なんて一緒にバイトに入っていたマサキやテツと言葉を交わして、あまり気乗りもせず、テレビ画面に目を向けていた。一昨日のことだ。..
(2006/08/21 2:31)
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