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蒸発旅日記
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静坐
私はただ丁寧に夜あげて泣いた。 誰も儘なるありようを為たいだけなのだと言って 若さに雪崩れて無理を知らず、大きく涯をするためには、 必ずしもそれは必要な彷徨であったからだ。 風呂..
(2008/12/03 13:22)
ひとさらい
ほとばしるものを、言葉も雨も、風も、何もかもを わたくしは一時たりとて書き留める事が出来ぬのだ 街の、交差する人の間に在ってなお、屑じみてゆくような渇れた歌に叫ぶ有り様は 惨めに道を這..
(2008/10/26 20:15)
アルコン
嗚呼不公平だ 貴方はいつも 私を選ばない そして世の何よりも 目を伏せてすら感じる世界にあって 整然と美しい 私では不足であるなどとは言わせない しかし その瞳..
(2008/10/18 22:35)
EJA MATER
”数えわたるたむけ 抜け殻の累 また陽刻みゆくとき 明日へ逆らうの如く母は子を抱きにけり” セルマはいつでも無表情で「そういうこと」を謂うのだ。不穏よりも水っぽい、抑揚に欠けた表情で、明け方、私もま..
(2008/10/16 10:57)
返歌
焔なかれとてさきの灯とは観えざるに値せしか 死延ぶのその身うろに潜む不可視 天頸をぞかいてんげるものとは覚えざるや
(2008/06/22 4:29)
返歌
尽きぬにはいづれ天球謳歌、否 現は葦揺らすほどの無力が生命 宙遠く浮かぶに 恣意躍々として果ていづこ求む
(2008/06/22 4:29)
逼迫する身の内に飢える実態
我が世空ろ 天へ抜けるグレゴリオと思しき醒銘にも似て 拠るる大樹のがらんどう まして轍揺る其れ紡ぎの音に、己稚拙の卑屈と知るが故 やはで愛でずに居られでや 最早舞ゐらむか我があしに..
(2008/06/22 4:25)
無題
非ずとさえ非ず己の寂厄 月に輸授せむとて今宵雨恋の天鬼よ 滅すれば尚欲すと憶ゆ危うき我が身体 砧に震え隠して夜明くのを待てる いづれ山の端も白く遅れて鵺の在れば 射落として観ゆるこ..
(2008/06/22 4:22)
暗幕
放てばいつか翻り 風弄ぶまま宇宙に繋がるか暗幕のうねり 倦怠の鏡面とは儘よ 刻苦を厭うたが所以のおのが怯惹に責め立てられ はゆる木漏れ日にも時のうつろわぬ 根は易く慈愛の困窮であっ..
(2008/06/22 4:21)
嘔吐
頭が くらくらするのね こんな暗い部屋に毎日毎日何を忘れに来ているのかしらこの人は どこの世界も似合いはしないけれど 無理が祟ってよ 社交 笑顔 協調 陽光 皆々不似合いなもの..
(2008/06/22 4:16)
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