ぐるまる堂 パンきちのやかん

一足お先にクリスマス@リストランテ ヨシミ 水戸
片手に
箸。片手にお茶
碗。
これが私の
日常。
とくと思い返してみれば、うちごはんの中で、
片手に
ナイフ。片手に
フォーク。
ということは、一度もなかったような気がする。「一度も」というと大げさに聞こえるかもしれないが、
確かな
記憶がない。
毎日毎日、口に
ごはんを
運んでくれている、この
箸。実は結構、歴史が
古いようだ。箸や食文化については、
深く
研究されているであろうから、あまりあれこれしゃべると
恥ずかしいので、
深入りは避けるが。
日本で言えば、
『古事記』『日本書紀』に、すでに箸の記述が見られる。師匠がよく、
話をしていたことなので
気にはなっていた。あらためて
調べてみると、
なかなかおもしろい。
『古事記』によれば、
高天の原を追われ、
出雲の国に下りてきた
スサノオが川の辺に
立っていると、
どんぶらこどんぶらこどんぶらこったらどんぶらこ
と
箸が
流れてきたという(
どんぶらこかどうかは知らんが。食べ物をつかむ「箸」ではない、という説もある)。
これを
見たスサノオは、上流に人が
住んでいることを
知る。スサノオが遡っていくと、「怪物」に娘を
喰われてしまうと
嘆いている者たちと出会う。怪物とは、すなわち
ヤマタノヲロチのこと。八つの頭を持つ「蛇」として
描かれており、スサノオの「計略」により退治されるという、「英雄譚」へとつながっていく。
そしてもう
ひとつ。
大后に取り憑いた
神が、船に「御魂」を祀る際に「
箸と平たい皿」を「大海に散らし浮かべながら渡り行くがよいぞ」と、
タケノウチノスクネに
教えている場面がある。
(『口語訳 古事記〔完全版〕』 訳・注釈三浦佑之より)
三輪山のふもとにある、巨大な前方後円墳
「箸墓古墳」にまつわる
伝説にも
「箸」が登場する。
『日本書紀』によれば、
オホモノヌシという三輪山の
神様と結婚した
姫様がいた。神様は
夜にしか姫様のところに姿を
現さないため、その顔や姿をはっきり見たことが
ない。
「そのお
姿をぜひ、お
見せください」
とお
願いした姫様に対して、三輪山の神様は、
「では、私の
姿を見ても、
決して驚かないように」
と
念を押して、姿を見せることを
約束する。姫様に、「櫛を入れる
箱」を開けるように
伝えて
帰っていった。
明くる日のこと。
姫様は神様に
教えられた通り、櫛の箱を
開けてみたところ、
中には、「遂に美麗しき
小蛇」が
ちょこん。
姫様、吃驚仰天して
叫んでしまった。
きゃああああああああああああああああああ
その姫様の
様子を見て、大変
恥ずかしく思った神様は、ついには姫様の急所を
「箸」で刺して
殺してしまったのである
(もしかしたら、これも食べ物をつかむ「箸」ではないかも)。その後、姫様を葬った
墓のことを、
「その墓を号けて、
箸墓と謂ふ。是の墓は、日は
人作り、夜は
神作る」
(『日本書紀一』校注 坂本太郎・家永三郎・井上光貞・大野晋より)
といい、それが三輪山の麓にある「
箸墓古墳」を示していると考えられる
(伝説として読むには、とても興味深いものである)。
うーん。おもしろい。
さて。
そんなお箸を片手に、日々ご飯をいただく私ではあるが、時には、片手に
ナイフ、片手に
フォーク、ってこともある。
肩肘張らずに、ゆったりと美味しいものを
楽しめる
時間と
空間へ。
リストランテヨシミ[外部リンク]にて。素敵な
お誘いに感謝。
今回のランチは、シェフの
「おまかせ」(通常メニューには
ないので、ご注意くださいませ!)。どきどきわくわく感が倍増する仕掛けだ。
青を基調とした、落ち着いた雰囲気のテーブルへ。窓から差し込む光がその青を引き立てて、素敵な
雰囲気。とても
居心地のよい空間である。
前菜。手前は、サフランライスの焼きリゾットとリードボーのソテー。

お料理が引き立つ、大きなガラスの器が素敵。
スズキのカルパッチョ。きらきら光り輝く、きれいな白身。

オリーブオイルの香りとコク。さらりと食べられてしまう上品な味。
パン。料理の大切なお供。

これは、ハーブのプチパンとイカスミ・バジル・ビーツの3色パン。
そういえば、レストランに
食事に行くと、いつも
悩むことがある。
パンのおかわり。
おかわりをしていいのか、ダメなのか、とてもとても
悩む。
「パンのおかわりはいかがですか?」
と声をかけてくれるお店もあるし、何も言わずにお皿を下げてしまうお店もある。私としては、
前者のちょっとした
心遣いが嬉しい。単に私が、そういう場に
不慣れだからということもあるかもしれないのだが。
今回の
ヨシミでは、3色パンのほかに、無花果や胡桃のパンをいただいた。とてもありがたいことである。どのパンも、料理を邪魔しない軽い焼き上がり。パティシエさんが、毎日焼き上げているとのことである。
スープ。京にんじんのポタージュ。鮮やかな色が食欲をそそる。

ほうっとため息が出てしまう、柔らかな味。素材そのものの美味しさを、最大限出し切ったような、素晴らしい一皿。
パスタ。ブラウンマッシュルームのラグーソースのペンネ トリュフオイルがけ。

絶妙な塩気と旨味。コクがあるのに、軽やかという不思議な美味しさ。
私はお肉とブラウンマッシュルームを煮込んだソースかと思っていたのだが、シェフの説明を聞いて
びっくり。ブラウンマッシュルーム
だけで、お肉は入ってい
ないとのこと。しかも、炒めていると何故か、「塩分が自然に出てくる」ということだから、ますます不思議。
しっかりとした
コクはあるのに、軽い食
後感。これなら、メインまでにお腹が一杯にならない。量と味の
バランスがよく
考えられているのが、とても嬉しい。
メイン。うずらのグリル 人参のスフレ添え。

もう、見ているだけで幸せな気分。見ているだけで、美味しいと確信できる。
思い浮かべた美味しさと
ぴったり一致。
人参のスフレ。これが最高。

お肉をいただきながら、ちょっと一口、ほっと優しい甘味が口の中に広がる。それからまたお肉をいただくと、さらに美味しい。
ここで、結構お腹がふくれてきて、ちょうどいい
感じ。
ドルチェ。桜の蜂蜜をかけたブラマンジェ。

ブラマンジェにグレープフルーツの酸味。このコラボは新鮮。桜のはちみつで、まろやかな仕上がりになっている。
マロンのティラミス 柿のシャーベット添え。可愛い
雪だるまが見え隠れ。

栗と柿。季節を感じられる素敵なコラボ。濃厚なティラミスの後に、柿のあっさりとした風味が心地よい。
これで楽しい食事会も
終わりかと思ったら。
トナカイ登場。
あれ?シカかな?

そういえばそろそろ、ジングルベルの鈴の音が聞こえる季節。
メリークリスマス。
最後に、あっと驚く、贈り物。
テーブルに
運ばれてきたのは、クリスマスケーキ。ホールケーキを披露してから、カットして提供してくれるという、喜びあふれる
演出である。
一足お
先にクリスマス。

最後まで、美味しく楽しく。
幸せな気分のままの
帰り道。

空を見上げれば、
虹のアーチ。
「虹の
生まれる
場所」が、たどっていけばわかるくらいの、はっきりくっきりとした虹。小さい頃、「虹の生まれる場所」には、「
宝物が
埋まっている」という話を聞いたことがある。この時の虹は、そんな話を
信じてしまいたくなるくらい、きれいなものだった。
ドルチェの「桜の蜂蜜」で思い出したのだが、最近、
山桜の蜂蜜を使っている。

福島高湯温泉のおみやげ。
ヨシミでは、まろやかな甘味しか感じなかったのだが、この山桜の蜂蜜は、結構、香りにクセがある。ミルクティーには、お砂糖+はちみつを半分くらいずつにして、使っている。
食事会の数日後。舞い込む嬉しい
葉書。

美味しい
記憶が蘇る、ちょっと嬉しい心遣い。
最初から最後まで、幸せ気分が続いた
一日。
いろいろなことに感謝の
一日。
ごちそうさまでした。
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