演劇・時空の旅シリーズ 公式ブログ

劇評
2月14日付けの朝日新聞に、「女の平和」の劇評が掲載されました。
7日に福岡から観劇に駆けつけてくださった記者の佐々木さん、どうもありがとうございました。
(以下、朝日新聞記事を抜粋)

宮崎県立芸術劇場が自主制作する「演劇・時空の旅」シリーズ第1作は、「平和」に真正面から取り組んだ。
紀元前5世紀に上演されたとされるアリストパネスのギリシャ喜劇を題材にした「B.C411ギリシア『女の平和』」(永山智行構成・演出、7日、宮崎市・メディキット県民文化センター)だ。
戦に明け暮れるアテナイとスパルタの男たちに抗し、女たちが平和を求めて立ち上がる物語だ。
セックスを拒絶する戦術で、男を説き伏せる。
男の窮状ぶり、女たちの中にも生まれる戸惑いぶりは、下品さすれすれのセリフと相まって、俳優陣の懸命な演技で観客の笑いを誘った。
中でも、木内里美は、老婆から貴婦人までを面白おかしく演じ分け、力量を見せた。
天井から垂れ下がり、床を川のように覆う幾筋もの白いロープは、悠久の時間を意識させる。
だが、永山の狙いは、「戦争なんてそんなもの」と笑い飛ばすところにはない。
リュシストラテ(内山ナオミ)が、高らかに平和を宣言した途端、砲弾の音が響き始め、舞台が赤一色に染まる。
それは現代の戦争を想起させる。
ギリシャ喜劇のおおらかさからかけ離れてしまった現代を象徴させたのだろう。

永山は、プラトン「饗宴」から引いたアリストパネスの言を語らせる。
人間の本性に基づいた男と女の愛だ。
その証が赤ん坊。
家族愛に平和への願いを託したのだろう。
公演が残るので詳細は避けるが、幕切れは美しく、切ない。
現代の戦争はまるでゲームのようで人臭さがない。
家族愛を対置させるのならば、もうひと工夫必要に思えた。
とはいえ、果敢な挑戦に拍手を送りたい。
(佐々木達也)
by jiku-no-tabi
(2009/02/19 15:21)
女の平和 広報
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