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工務店・ビルダー支援ブログ
ハウネット12月号 

テーマ:富裕層ビジネスがはじまった

高齢化、少子化、富の二極化──。サービスの受け手である需要者側の構造が激変しており、顧客争奪の舞台は生き馬の目を抜く戦場と化している。今回は、富の二極化がサービス産業の顧客争奪戦にどんな影響を及ぼしているのか、富裕層ビジネスをどうとらえるか、そこから、住宅業界としてのヒントを掴んで見たい。

1.中間層が分解、「みんな同じ」時代の終わり

長い間日本は「中流社会」だと言われてきた。しかし、勤労者世帯の平均貯蓄の分布(図2:金融広報中央委員会が昨年実施した「家計の金融資産に関する世論調査」)を見ると、4年前の1999年末と2003年の1〜3月における勤労者世帯の平均貯蓄額の分布を表したものである。
わずか4年の間に、貯蓄の分布の様子が変わっているのがわかる。貯蓄額が1,400万円以上の世帯の割合はほとんど変化していないのと対照的に、貯蓄額が400万円から1200万円の層の割合が全体的に減り、逆に貯蓄が200万円に満たない層が5ポイントも増加している。

この数字からは中流社会の中心であった「中間層」が分解し、その多くが下方へと移動しつつある様子がうかがえる。「勝ち組」「負け組」などという言葉もいつのまにか定着した。貯蓄の多少は必ずしも人生の勝ち負けを意味するわけではないが、少なくともかつてのような「みんな同じ」という感覚は通用しなくなりつつあることは確かなようだ。
このような社会構造の変化のなかで、上位の富裕層を対象にしたビジネスがあらゆる業界で志向されている。
100円コンビニが流行る一方では、楽天ショップで2億円の福袋が売れている。ヒルズ族やセレブなどマスコミの発信する情報に惑わされる消費者は、ますます商品化社会の生け贄になっている。

※セレブは、「celebrity(セレブリティ)」の略。セレブリティとは、著名人や有名人のことである。
略された「セレブ」や「セレブ御用達」のような表現は1990年末頃から見られ、海外の有名女優やスーパーモデルを「セレブ」、それらが身に着けるアイテムを「セレブ御用達」と言った。


2,続々と誕生する新富裕層

メリルリンチ日本証券によると、金融資産が100万ドル(約1億1000万円)以上の人は、日本国内に134万人いる(2004年時点)。これは世界的に見て米国の255万人に次ぐ数だが、日本全人口の1%に過ぎない。
一方、野村総合研究所の金融コンサルティング部によると、1億〜5億円の金融資産を保有する富裕層は約72万世帯、5億円以上の超富裕層(スーパーリッチ)は約6万世帯(2003年時点)。日本の世帯総数4900万に占める割合は、それぞれ1.5%と0.12%。やはり富裕ファミリーは少なく、超富裕ファミリーに至っては希少であることをはっきりと示す数字だ。しかし、この富裕層の保有する金融資産は、単純計算しても270兆円〜300兆円になり、個人金融資産の20%以上になる。

このような、新しい富裕層が生まれる背景としては、第一の条件は、高額の所得や相続に対する税率を低く抑える、金持ち優遇税制が導入されたこと。サラリーマン社長でも富裕層入りするチャンスが増え、また親などからの相続で億万長者になる人もかなり出てきた。第二の条件は、東証マザーズや大証ヘラクレスなど新興の株式市場が整備されたこと。その結果、オーナー経営者とその親族がIPO(新規株式公開)長者になるケースが急増した。第三の条件は成果主義の普及。外資系金融機関の幹部社員だけでなく、業績のいい日本企業でも評価の高い幹部社員が富裕層の仲間入りを果たすケースが目立つ。トヨタの工場で働く30代課長クラスでも年収1000万円以上はめずらしくない。ストックオプション(株式購入権)の恩恵を受け、新富裕層となった社員も少なくない。


3.富裕層狙う動き活発に

活況を呈する富裕層にサービス業界の視線が向かうのも無理はない。大手銀行があの手この手の超富裕層ビジネスに乗り出している。
80年近い歴史の三井本館。この階段の奥に中央三井信託が富裕層サロン開設へ。 中央三井信託銀行が、国指定の重要文化財である三井本館(東京・日本橋)内に富裕層専用の相談窓口を開設するほか、みずほフィナンシャルグループも絵画や高級外車の仲介まで行う富裕層向け業務の新会社の営業を開始する。
11月1日からサロンが置かれる三井本館は、旧三井信託の本店で、関東大震災の後、三井合名会社の大番頭、団琢磨(だん・たくま)が1929年に建設した由緒ある建築物。旧三井財閥の「歴史と伝統」を富裕層に訴えるのにうってつけと判断した。
対象は「預貯金、株式など金融資産の総額が1億円以上」の富裕層で、税理士や社会保険労務士などの資格を持つ7人の専門チームが相談にあたる。
一方、みずほが11月から営業を開始する「みずほプライベートウェルスマネジメント」は、金融資産5億円以上の超富裕層が対象。金融商品の販売以外にも、「資産活用の手段としてニーズが高い」(大手銀行)という絵画や高級外車の仲介や紹介を行う。美術品の真贋(しんがん)調査や買い付け価格のアドバイスのほか、希少な高級外車の購入や売却の手助けをする。

他にも、たとえば、会員制リゾートホテルの最大手、リゾートトラストが東京・臨海副都心のお台場で2008年3月の開業を予定する「東京ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート」。完全会員制となる地上27階、地下2階建ての施設は、オールスイートのホテル客室(292室)、スパ、プール、レストラン・バー、ボールルームなどで構成される。会員権は最高で3109万円(消費税別)。2007年4月、会員権販売を開始し,会員権販売の出足は好調だ。


同社によると、4月〜6月の販売額は58億円で、計画を上回る売れ行きになっている。購入者の平均年齢は51歳、平均年収は3600万円に達するという。これまでのところ、富裕層に照準を合わせたリゾートトラストの新規事業はうまくいっているようだ。

旅行業界も富裕層を狙う。エイチ・アイ・エス(HIS)が6月下旬に東京で開設した海外旅行のオートクチュール専門店、「銀座ヴィヴァレット」はその一例だ。この新店舗はビジネス・ファーストクラス利用商品を取り扱うが、HISによるとターゲットはずばり数年後に退職する富裕層の団塊世代。

1200万円の盆栽も──楽天、富裕層向け「高級品市場」

楽天が富裕層向けビジネスに取り組む。楽天は8月29日、高額な商品を集めた「高級品市場」を楽天市場内に開設した。高級腕時計や限定品などをそろえ、拡大する富裕層向けビジネスに楽天も本格的に取り組む。
新サイトでは毎月3テーマに沿って各8商品、計24商品を販売する。第1回目のテーマは「時計」「ワイン」「和」。1200万円の盆栽や、著名画家のラベルで知られるムートン・ロートシルトのワイン56本セット約2400万円などをそろえた。三木谷浩史会長兼社長は「単純に高額な商品というわけではなく、商品にまつわる背景やストーリーなどを理解した上で購入できるようになっており、ネットだからこそできるやり方」と話す。

このような動きを見ていると、別世界のように感じてしまうが、先日話を聞いた大手ハウスメーカーのリフォーム事業では、これまで最高のリフォームは1億5000万円だそうです。ターゲットを富裕層にだけ絞り込んだマーケティングを展開し、普通のリフォームでも1500万円、2000万円はめずらしくないという話。
地域に密着した工務店が、上位1%の客をターゲットにするのは難しいかもしれないが、少なくとも上位20%くらいの上客を意識した展開が求められる。
上客をターゲットにしたビジネスのポイントは、3つある。

@ ストーリーを語れる

三木谷社長が言うように、単に高額ということでなく、その背景やストーリーを語れる人間でなければならない。お客様と同じ感性を磨き「いい商品やいいサービス」とはどんなことか、自ら体験してみることも必要ではないでしょうか。

A 組織より個人パーソナリティ

会社の組織やブランドではなく、経営者営業マンの個人のパーソナリティが重要であり、お客様は会社を選ぶのではなく、あなた自身と夢を語ることに価値を見出す。

B コミュニティの形成

同じ価値観を持った家づくりのコミュニティを形成し、その中での交流が重要。現場見学会をすると、OB施主がたくさんやってきて、お互いに楽しく交流している工務店様もあります。その中で、新しいお客様は、OB施主の笑顔を見て、仲間に入りたいと思う。そうして、上客のコミュニティが出来上がる。
そこでは、工務店の経営者は、脇役、いい家づくりのための「ファシリテーター」でしかない。

※ ファシリテーター:人々の集まる「学びの場」が効果的に展開するように「促進」「介在」(ファシリテーション)する人を意味する。

★ 05年度06年度の経済見通し★

もうそんな季節になってしまいましたが、シンクタンクから経済見通しが公表されている。
今年度の住宅投資は、若干マイナスになっているが、06年度はプラス成長を予測している。05年度は分譲、貸家マーケットが牽引したが、我々の中心的な市場である持家市場は、マイナス基調に終わった。しかし、所得・雇用面の回復から06年は持家市場においてもプラスに転ずる。
特に、消費税のアップが具体化すれば、88年、96年のような駆け込みも期待できる。実際に、消費者のセミナーでは、仮に15%になればという話をすると、反応は敏感である。特に、40代から50代の主婦層は、住み替えや土地購入に積極的になっている。
2007年に数字を出しての検討、早ければ2009年4月から上がるとすると、06年、07年はかなり需要が拡大すると考えられる。

シンクタンク各社の経済成長見通し (単位:%)


実質GDP 個人消費 住宅投資 設備投資 公共投資
05年度 06年度 05年度 06年度 05年度 06年度 05年度 06年度 05年度 06年度
日経新聞社 2.5 1.7 1.9 1.1 -1.1 0.6 7.2 4.3 -3.2 -5.3
日本総合研究所 2.7 2.0 1.9 1.5 -1.0 2.4 8.2 6.0 -3.8 -6.2
ニッセイ基礎研究所 2.6 1.7 1.9 1.1 -0.9 1.0 8.3 6.4 -2.3 -4.6
大和総研 2.6 1.6 1.9 1.1 -1.2 1.7 7.7 4.0 -2.3 -3.2
UFJ綜合研究所 2.6 2.7 1.9 1.9 0.0 3.4 7.9 8.8 -3.9 -8.5
信金中央金庫綜合研究所 2.5 2.1 1.9 2.0 -0.9 0.9 7.3 4.7 -3.3 -5.4
大和證券SMBC 2.6 1.1 2.0 0.6 -1.1 1.3 1.7 1.7 -3.6 -4.2
第一生命研究所 2.6 1.8 1.9 1.3 0.1 1.3 8.3 4.2 -3.6 -6.3
8社平均 2.6 1.8 1.9 1.3 -0.8 1.6 7.1 5.0 -3.3 -5.5
04年度の実績は、実質GDP 1.9%、個人消費 1.2% 住宅投資 2.1% 設備投資 5.1% 公共投資 -15.1%


by marken2005M
(2005/11/18 16:44)
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