ある社会保険労務士からの報告

キヤノン方針転換の衝撃
「キヤノン、派遣ゼロに 年内 期間社員・請負に転換」との記事が2008年3月18日 朝日新聞に掲載された。
キヤノンのこの方針転換が、他のメーカーにも拡大するとすれば、今後、人材派遣事業者には大きな衝撃となろう。
キヤノンのこの方針転換は、現行労働者派遣法のもとでは、派遣受入期間制限の問題をクリアできないと判断したことの現れである。
この判断に至った背景には、
@ 直接的には、格差問題の原因は派遣社員などの非正規雇用にあるとする世論の強い抵抗や、ユニオンによる告発、これを受けた厚労省の監督強化の動きがあり、
A 間接的には、労働力減少・技術伝承に対する危機感がある。
この方針転換は、同時に、キヤノン一企業に留まらず、派遣法の規制緩和の流れの中で、特に製造業務への派遣が可能となって以降急速に拡大してきた派遣市場が、今後は厳しい淘汰の時代を迎えることを意味する。
他のメーカーにもこうした動きが伝播すれば、派遣業者が今後進むべき道は、
@ 「本来の」請負事業を担えるだけの資金、人材(労務管理を含む)、製造力を蓄えた下請メーカーとなるか
A 特殊な業務(26業務に代表されるような)に関する派遣人材を確保した派遣業者として特化してゆくか
B 職業紹介事業者として、メーカーの直接雇用に係る労働者調達機能の一翼を担うか
これらの選択肢のなかに見出すしかなくなるだろう。
いずれにしても、派遣業者には厳しい選択が迫られることになる。
ただし、今後、経済界のなかで労働市場における規制緩和を推進する勢力の力が再び強くなることがあるとすれば、その勢力は今度こそ無期限派遣への扉を開こうとするだろうし、それが達成されたとき、そのときこそ人材サービス業は最盛期を迎えることとなろう。
by ajhnyt
(2008/03/24 10:54)
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