Viento desde Borinquen

第24回 サルサ国民の日 (2) /Dia Nacional de la Salsa
(
パート1より続く)
さて、3番目に登場したのは
ラフィ・レアビとラ・セレクタ。

このオルケスタは
「サルサ・ヒバラ(ヒバロ・サルサ)」と言われるくらいのヒバロの香りを新しいフィーリングと融合させた数々のヒットで知られる。リーダーでピアニストであるラフィー・レアビとヒバロの香り高いボーカルのサミー・マレーロの個性はあまりに強烈だ。
(もしお手元に河村要助さん著の
『サルサ天国』があれば219ページからの
「プエルトリコの夜の深さ:ラフィー・レアビ、サミー・マレーロなど」を再読して頂ければその魅力が素晴らしい文章で描かれています。)

"Somos el son", "Amor y paz", "La rosquillita", "Cafe colao", "El buen pastor", "Mi barrio", "La guinaita", "La cuica" 、そして"Soldado"とヒット曲がどんどん出てきて会場は盛り上がる。このオルケスタはやっぱ特別ですね。
最後の曲
「ヒバロ・ソイ」(俺はヒバロ)では、ヒバロの歌い手が顔をそろえ、歌を競う。伝統の
「コントロベルシア」だ。これは数小節ずつ韻を整えた(デシマ)即興での歌を競うもの。

登場したのはまず、ヒバロのトロバドール一家、サナブリア・ファミリーを今やしょって立つ
ビクトリア・サナブリア(Victoria Sanabria)姐さん。男性軍もまけてはいない。バカルディーのトロバド−ル・コンテストの優勝者、素晴らしい機知に富んだ即興を得意とする
ビクトル・マヌエル・レジェス(Victor Manuel Reyes)、そして大ベテランの
マリアノ・コット(Mariano Cotto)。(写真左から、ビクトル・マヌエル・レジェス、ビクトリア・サナブリア、マリアノ・コット、サミー・マレーロ)

それにクアトロの
ペドロ・グスマン(Pedro Guzman) と
クラウディオ・プロディヒオ (Claudio Prodigio) が加わり、これまた即興を競い合う。
ペドロはエレキ・クアトロでした。プロディヒオは、来日の時同様にバキバキの早引き。すごいね。

隣で聴いてた、まだ高校生くらいのあどけなさの残る兄ちゃん、必死で彼らのソロを見ていた。あとで、聴いてみるとクアトロ大好きで、彼らは偉大なアイドルなのだと。
「日本でマイ・クアトロの上にプロディヒオにサインしてもらったよ」と言ったら、驚いて仲間を呼んだ。
「日本にクアトロなんてあるのか?」とか「ヒバロのCDは売ってるのか?」とか、挙句の果てに「どうやったらクアトロが上手くなると思うか?」とか質問攻めにあった。最後は
「皆でマエストロ・ラディとマソ・リベラ(今は亡きクアトロの大名人たち)を勉強しよう!」と盛り上がった。いやー、プエルトリコ。
◆◆◆

さて、再びルンバ・デ・フエゴのダンスのパフォーマンスをはさんで登場したのは
ルイス・ペリーコ・オルテスのオルケスタ。若くして60年代末から80年代にニューヨーク、プエルトリコで活躍し、その後プエルトリコに居を構えてシーンを引っ張るペリーコ。

今日は
ロベルト・ルーゴと
ラファエル・デ・ヘススのオリジナル・メンバーがフロント!名曲の数々で会場はゆれる。

"Mas amor"、"Islen~o"、"Tin Marin" 、"Bohemio"と来て、ステージには
カチェーテ・マルドナードとロス・マハデーロスが加わる。カチェーテは脳溢血で倒れてからリハビリを続けているが、再びステージで見られるのはなんとうれしいことか。カチェーテはカホンを叩く。
ルンバ風味たっぷりの
'Como vivo yo'が始まるり、ペリーコのジャズっぽいソロが始まると、舞台にはテナー・サックス奏者が登場。
ダビド・サンチェス(David Sanchez)だ。なんと強力なソロだろう。リズムがボンバのアクセントを強く押し出し、ダビドを煽る。トロバドール達がコロを繰り返す。その発声方法はヒバロ/プエルトリコのサボールそのもの、モントゥーノは島独特の色に満ちる。
同じモントゥーノの形式でもキューバの路地裏の音とプエルトリコの路地裏の音は確実に違うけど、このステージは島のベストのメンバーでその点をまざまざと見せ付けてくれた。
→YouTubeで動いてるのを見る[外部リンク]

興奮冷めやらぬステージに、、予告なしで登場したのがなんと
TNT Bandの
ティト・ラモス(Tito Ramos) と
トニー・ロハス (Tony Rojas)。60年代後半から70年代にNY・PRでヒットを飛ばしたバンドだ。まさか、こんなところで見られるとは。 'Sabre olvidar'を歌い、会場は大喜び。
◆◆◆
そして休憩を挟んで、今日のトリ、
イスマエル・ミランダ (Ismael Miranda)登場。
いまさら
"Nin~o Bonito"(美少年)でもないだろうけど、やはり彼を紹介するときはそうなっちゃうんだね。バックはルイス・ガルシアが率いる。

さて、その彼がまさに美少年真っ盛りだった初期に在籍したのが
ジョーイ・パストラーナ (Joey Pastrana)のオルケスタ。
今日はそのジョーイがティンバレスで参加。ミランダの初レコーディングはこのバンドでの"Let's Ball"。そして最初のヒットが
"Rumbon Melon"だ。ジョーイは60年代、ブガルー時代'Riquichi'などのヒットで一世を風靡した。今でも、クラブ系のMixiの音源で登場したりと、かっこいい音。
そして
オルケスタ・ハーロウに参加。 アルバム
"Orquesta Harlow presenta a Ismael Miranda"ですね。そしてファニア・オールスターズの看板のひとりとなり、73年の
オルケスタ・レベラシオン(Orquesta Revelacion)と続く。
その彼のキャリアに欠かせない盟友
ネルソン・ゴンサレス(Nelson Gonzalez)のトレス、
ニッキー・マレーロ(Nicky Marrero)のティンバレス 、
ジョー・サンティアゴ(Joe Santiago)のベースが加わり"Se casa la rumba"、 "La revoluci?n"、そして歌は"Cipriano Armenteros" 、"Maria Luisa"と続きボンゴに
ロベルト・ロエナ(Roberto Roena)も加わり、最後はデスカルガ。
こうして8時間以上続いたコンサートは終了したのでした。
◆◆◆
しばらく、ベンチに座ってぼけーっとしていた。なかなか帰らないグループもいてグラウンドでデスカルガ始めたり、踊ってたり。
横で、同じようにぼけっとしてた、家族連れのおばちゃんと目が合うと、
「良い夜だよね」
と声を掛けてくれた。
「昼も夜もプエルトリコはいつも最高」
と答えたら、笑ってくれた。
(パート3へ続く)
by mofongo
(2007/06/08 22:48)
Musica/SALSA
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