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ゼットン 



ウルトラマンは決して怪獣に負けない。
ウルトラマンは怪獣より強く、ウルトラマンより強い怪獣はいない。
それが、当時の子供達の常識だった。
ウルトラマンが怪獣に負けることなど天地がひっくり返ってもありえない、はずだった。
まるで太陽が東から昇り西に沈むのと同じぐらいの当たり前の常識。
その常識が「ウルトラマン」の最終回「さらばウルトラマン」で完全に覆されてしまった。
子供達は愕然とした。
ウルトラマンが怪獣に負ける!
怪獣がウルトラマンを倒す!
ウルトラマンより強い怪獣の出現に子供達は驚愕する。
その怪獣の名はゼットン。
ゼットンはウルトラマン以上に強い、というだけでなく、これまでに見たことも無いタイプの怪獣だった。
それは怪獣という常識、概念をすべて叩き壊すような存在であった。
これまでウルトラマンが戦いつづけてきた怪獣とはどこか違う。
怪獣らしい怪獣ではない。
宇宙恐竜と呼ばれているのにも関わらず、恐竜のイメージはない。
これまで見慣れてきた恐竜形怪獣とはまったく違う。
どこか人間的なフォルムを有しているもののバルタン星人やメフィラス星人のような宇宙人とも違う。
宇宙人と怪獣のハイブリッド的なスタイルである。
真っ黒なボディに胸の黄色い「1兆度の火の玉」発射孔、アンテナを思わせる角に、四角い突起状の眼・・・・・・・・・・およそ生き物としてありえない形状。
これまで登場した怪獣のどれとも似ていない。
強いて言えばブルトンが一番近いのではないか?
そう、ゼットンのシュールなデザインは、まさに未体験ゾーンのものであり、怪獣の概念を根底から覆すほどの、「怪獣を越えた怪獣」といったものだった。
ウルトラマンがこれまで戦ったことのないタイプの「怪獣以上の怪獣」であり、その謎めいた存在感は底知れない不気味さを秘めている。

ウルトラマンはついに最強の怪獣ゼットンに負ける。
ぼくらのヒーロー、ウルトラマンが負けてしまうというショックと同時に、子供達はウルトラマンさえ倒してしまう信じられない強さの怪獣の登場に驚喜してしまう。
ゼットンってすげえ!!!
子供とは現金なものだ。
ゼットンは怪獣の中でも特別な存在として、子供達の間では一目置かれた存在である。
好きな怪獣は?と聞かれて帰ってくる言葉は、レッドキングだったり、ゴモラだったり、バルタンだったりと人気怪獣の名前があがるが、じゃあゼットンはどう?と聞き返すと、子供達は「当然だろう?」というような顔をして「そりゃゼットン、好きに決まってるじゃないか」と逆に呆れたように答えることだろう。
なにを当たり前のことを聞いているんだ?ゼットンを嫌いなわけないじゃないか?
なにしろゼットンなのだ。
ゼットンは他の怪獣とは違うのだ。ゼットンは別挌である。
わざわざ口に出してゼットンを好きと答える必要は無い。
いや、ゼットンとは好きとか嫌いとかのレベルで語る怪獣じゃない。
尊敬すべき怪獣、リスペクトする存在なのだ。

かく言う俺もゼットンの大ファンである。
そのシュールなデザインのかっこよさ、「ポポポポポポポ・・・・・・」という怪音とともに発せられる「ゼーットーン」という鳴き声も、不気味であると共に王者としての貫禄を感じさせる。
ウルトラマンのスペシウム光線を跳ね返すバリア、両腕をそろえて前に突き出し、発射する1兆度の火の玉、技のひとつひとつがイカしてる!
物語上ゼットンを倒さないわけにはいかないのでペンシルロケットという秘密兵器で倒されてしまうゼットンだが、まあほんとうだったらゼットンは何があっても倒されたりしない最強の怪獣だ。
なにしろあのウルトラマンに圧倒的なパワーで完勝した怪獣なのである。
俺の中ではゼットンの強さはキングギドラに次ぐ全怪獣ナンバー2の実力者であると思っている。

ウルトラマンからはじまる怪獣、巨大ヒーロー番組が永遠に続くものではなくいつかは最終回を迎えるものであるということも「さらばウルトラマン」では、子供達に教えた。
悲しい、寂しい現実。
オーバーな言い方ではなくヒーロー番組の最終回とは子供にとってそれだけ大きな事件だった。
だから最終回にヒーローと戦う怪獣の存在は重要だ。
ゼットンはその点、申し分ない強さと存在感を持ち合わせていた。

ウルトラセブンではパンドンとゴース星人
帰ってきたウルトラマンではゼットンJR(元祖ゼットンとは比べ物にならないかっこ悪さ!)とバット星人。
ウルトラマンエースでは合体超獣ジャンボキング
ウルトラマンタロウではサメクジラ(地味すぎる・・・・)
ウルトラマンレオではブラックエンド
ウルトラマン80ではマーゴドン

他のウルトラシリーズの最終回に登場した怪獣を考えてみると、それぞれ強くラストを飾るにふさわしい怪獣が登場していたり、最終回の怪獣としては貫禄不足だったりするが、いずれにせよゼットンを超える「最終回怪獣」はいない。

偉大なる初代ウルトラマンの最終回を飾るにふさわしいどころか、それ以上の強烈なインパクトを与えたゼットンは他の怪獣とは並べて語ることはならない、まったく次元の違う、最強怪獣である。

by pulog1
(2004/08/09 11:00)
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