diary

バラキレフ「イスラメイ」
一時期YAMAHAの同僚だったピアニストIと私は気があった。
というか途中からパワフルな彼女についていけなくなったが
その気風の良さ、スケールの大きな器が好きだったし 憧れでもあった。
何しろ豪快な人である。
二人の共通点は「お嬢育ちなのに魚家の娘みたい」
魚屋というのは比喩で二人共 下町育ちのような大雑把な性格だった。
ある夜 仕事が終わった後に ふと「聴きたい?」と言われた私は
グランドが置いてあるサロンに一緒に入った。
彼女の手はまるでアルゲリッチの如くゆうに1オクターブ半に届くかと
思われるようなごつい手である。
私は演奏会のように一人 グランドの前に腰をおろした。
彼女はいつになく真剣な顔でピアノに向かった。
その時にほとばしり出た驚愕の旋律が洪水のように流れ出した。
それがバラキレフ「イスラメイ」である。
今まで聴いた事がないような妖しい曲だった。
オリエンタルと表される事もあるが個人的にはとにかく妖しかった。
私は魅入られるように聴き入った。
長いその曲が弾き終わるとIが「テープ欲しい?」と私に声をかけ
即座に頼んだ。
それがガブリーロフ演奏の「イスラメイ」である。
さすがに楽譜は無理だろうとねだらなかったが(苦笑
その内 ピアノに専念するからとIは自宅レッスンだけに変えた。
数回 コンサートを誘われたが多忙で1回も行けない内に縁が切れた。
魅力的な曲を教えてくれた魅力的な人だった。
by reverie5
(2006/03/19 4:33)
音楽
(*)前へ 次へ(#)

特集
ゆるキャラデコメ特集
今流行のゆるキャラ満載!
diary
ログイン
エキサイトブログトップ
エキサイトモバイル
ヘルプ
(C)Excite Japan